っていうタイトルだとまるで自分がシダーの凄さを分かってるみたいに聞こえますが、勿論まだまだ分からない事だらけで、正確には自分が凄いと思わされたこと。

あれは確か2005年頃、ビレッジバンガードで見たライブだったと思います。あるマイナーブルース調の曲で、最初のかなり長めのベースソロに続いて、ベースの最後のフレーズにかぶさるようにシダーがピックアップで(譜面上の区切りより早いポイント)「タッタッ、ターラ、ラーララッ」というフレーズで入ってきた時。

もの凄い説得力を感じました。自分でも誰でも弾けそう、どこにでもありそうなフレーズ。なんでか分からないけど何故か強力に自分の心に突き刺ささった説得力、イメージ、あれは何なんだろう、と後からずっと考えてただけど、大分たったある時自分なりに答えが見つかったような気がしました。

そう、あの誰でも弾ける、どこにでもありそうな単純なフレーズだけど、あそこで、あのタイミング、あのニュアンスで弾けるから凄くて、それができる人間はそんなにいないのでは、と思えました。

伴奏しつつ、長いベースソロをじっくり味わって、「そうか、分かるよ」みたいな感じで自分のソロに入っていったのではないか、と思います。

普通の会話でも「そうか」は誰でも言えるあいづち、みたいなものだけど、本当に説得力のある「そうか」、ああ本当に理解してくれたんだ、と思わせてくれる「そうか」は、本当に相手の話を誠意を持って、気持ちを理解しようとしながら聞いてないと言えないのだと思います。それなりの人生経験も必要かもしれない。(ボキャブラリーが貧しく「本当に」を連発で失礼)

勿論べースのDavid Williamsのソロ(話)も説得力があったからこそ、あいづちも打てたのだと思います。

テクニック的な事は練習すればそれなりの成果はある程度すぐ出る事もあるけど、ああいう風にシンプルなフレーズを、相手を深く理解し味わあないと出せないニュアンスで、これ以上ない相応しいタイミングで弾くというのは、ちょっと10年、20年くらいの経験では無理だな、と思わされました。