ジャズピアニスト Nori OchiaiのBlog

音楽、その他を通して日々感じる事や活動状況。

2015年03月

Gilad Heksleman Trio



自分の好きな音楽の話はあまり軽くしたくないけど、 これはやられた、、、


まるで、
時間が止まって、温度感も無い世界。
人々の叫び声も聞こえない、音の無い世界。
苦悩の表情はどこにも無く、みんなが穏やかに微笑んでる。 

まるでそんなような完全な別世界に連れていかれる。
瞬時にスクリーンの前の空気が変わってしまう。

もの凄い緊張感で息も苦しい、、、
できるかぎり音に集中する事を強制される。  

とてつもなく精神年齢の高い音楽。

3人共、まるで最高の役者みたい。
真実だけを演じる役者。全ての瞬間の表情が音に裏づけされた本物の表情で美しくアートになってる。


多くのジャズジャイアンツ達がいた頃、1940〜60年代に生きてたら幸せだったのかもしれないけど、こういうGiladみたいな天才の演奏に触れると今の時代に生きていて良かったとさせ思わされる。


何回も聴いてると、つい無意識にリズムやハーモニーとかアナライズしそうになってしまうけど、やっぱりこういうのは、ずっとずっと、ド素人の耳で聴いて感じていたい音楽。




 

R.I.P. Kenneth Kamal Scott

これは世界的なファンクドラマーのBilly Cobhamのアルバムに参加した時のKamalの歌です。
  



NYに来て、ニュースクール大学で彼のボーカルのクラスの伴奏をサブ(日本ではトラ?できない人の代わりをする)をした時以来、ずっとお世話になっていたカマールが先日、向こうの世界へ旅立たれました。


その最初の出会の時、自分を彼のクラスに呼んでくれた?誘って紹介してくれたのが、南アフリカ人のベースのソイルスだった。思い出してみると、人生のターニングポイントに強烈な個性を持っている大事な存在の人達が絡んでいる事が結構多いです。

多くの人達に応援、サポートのお陰で何とか今まで生きてこれたけど、特に音楽的に力強くサポートしてくれて、支えになってくれていて、応援というよりむしろ自分の将来を確信してくれてるような顔、表情、言葉で、そう感じさせてくれたくれた数少ない人でした。矢沢さんもそんな感じだったけど、人種もジャンルも住んでいる世界も全然違うけど、凄く似た同じような顔で話してくれてました。
 
最初に出会いの後は、クラスの伴奏に雇っていただいたり、彼のアルバム、コンサート、マスタークラスにも参加させていただいたりと、貴重な音楽的経験、音楽的にも人間的にも大きな影響を与えてくれて一生の宝物、沢山くれました。 

彼は、Nat King Cole, Sarah Vaughan, Fats Wallerなど出入りしてセッションするようなジャズに囲まれた環境の家庭でジャズを歌いながら育ち、後にクラシックを勉強して、イタリアでも活動したり、ラスベガスでのショーや、ブロードウェイのTHE WIZの主役を務めたり、様々な活動をされた人でした。

大学でジャズとクラシック両方教えられてましたが、自分が思うには、やっぱり比重も強く、一番好きで大事だったのはクラシックなんじゃないかな、と思います。アフリカン・アメリカンとして、多くの壁を乗り越えながらクラシックを歌ってきた御自身と、遠く文化の接点もあまり無いような国から来てジャズをやってる自分をどこか重ね合わせてみてくれてたようにも思えます。

よくクラスで「ノリは自分が育った頃聴いた、往年のピアニスト達のテイストを持っている。全然違う環境、文化の国から来た若者が自分たちの文化を知ってるんだ」って、恥ずかしくなるくらい、聞いてるみんなも、もう嫌になっちゃうじゃないかってくらい、よく自慢してくれてました。

本当はこういう自分が褒められた、みたいな事書くの好きじゃないですが、すみません、ちょっと許してください。


一応今回お別れになってしまったけど、いただいた経験、思い出は一生色褪せる事が無いし、一緒に演奏した音源もあるし、彼の声もずっと聴けるので、むしろこれから一生の付き合いになるのか、という気持ちにもなってます。カマールの方も見ててくれるだろうし、自分も人生終わる時に振り返ったら、今から向こうの世界に行って彼に逢えるのもそう遠くない日の事なのではないか、と思います。

彼との出会いに心からありがとう。
それまでできる精一杯やって、できるだけ、もっともっとスイングしまくって天国のカマールを微笑ませ続けたい。







 

クロスリズム


日本ではポリリズムという事が多いと思いますが、
クロスリズムのマスター、Ari Hoenigが一人でブルースをやってます。

12小節のブルースで左手でメロディをプレイし続けて、右手、両足でクロスリズム をプレイしてますが、
右手のテンポは、1/2倍, 2/3倍, 3/4倍, 1倍, 3/2倍, 2倍とコーラス毎に速くなって行きます。
そのクロスリズム上のオリジナルと違って聴こえる速さ?(うまい言い方が分からない)を一泊とした4ビートを演奏して聴こえるように右手ライドシンバル、左足ハイハットをプレイしてる。つまり、1/2倍, 2/3倍, 3/4倍, 1倍, 3/2倍, 2倍のテンポの4ビートが同時に聴こえるようになってます。

最初は頭も使って考えないとなかなか理解しにくいし、ちょっと気持ち悪くもなってしまうけど、少し慣れて 頭で考えないでスゥーっとリズムが入ってくるようなのがいい聴き方なのかな、と思います。

それにしても狂ってるというか、世間一般からみたらほとんどどうでもいいような事だけど、凄いな。



 
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