何故感動したのか、というと、これは、船木選手が人生掛けて、血や汗を流さずには出来ない話だからだと思います。そんな、お金では買えない宝物の様なお話。


キャリアの序盤ですでにスター選手に登り詰めた船木さんが、当時は1若手選手だった桜庭さんの事を変なプライドも全く無く、格闘技でのお二人のキャリアが交錯、引き離された事なども、謙虚に正直に客観的に、言葉を選びながら話され、”今現在、この瞬間の船木さんに辿り着かれている” 姿にも感動しました。


やっぱり専門家でないと分からない事、肌で経験しないと分からない事、痛みを伴わないと、優しくなれない、理解できない事は沢山あるんだな、と改めて感じました。

そして「あ、!」と思わされた、何故桜庭さんが強いのか、その強さを支える3つの要素。

1、特殊な運動神経、野生の勘
2、折れない心、打たれ強さ
3、戦いを楽しむ、試合やトレーニングを楽しむ気性



これはそのままジャズと同じ。
世界の天才の様な人達に共通している、実際自分が彼らにそばで触れて肌で感じてきた事と、そのまま全く同じ。
勿論ジャズに限らず、あらゆる世界に当てはまってしまう事だろうけど。


考えるより速く身体で反応できないとジャズも難しい。
結局どんなに頭で理解して勉強しても、感覚で理解できていないと最終的、本質的にはあまり意味が無い。”理解したつもり”と違って、”本当に理解する” というのがそういう事なのだと思う。

折れない心、打たれ強さ。これだけは自分もそこそこあるのかもしれない。
今まで「こんなに何もできないのか、ここまでセンスが無いのか〜」等、もうやめた方が、死んだほうがいいな、位に思わされた事など、数え切れないくらいあるのだけど、それでも辞めてない、何とか続けてしまってるのは多少の打たれ強さがあるからかもしれない。まぁ打たれ強さというよりは、”バカ” という方が正しいと思うけど。

まともな神経、判断力があればとっくに辞めてるのだろうけど、でもこの”バカ”である事で続けてこられたのだと思う。

ちょっと次元が違う自分の話ですみません。

そして、試合やトレーニングを楽しむ、面白さを誰より感じれる事。
これもなかなか努力ではどうにもならない部分。
ジャズでも、どれだけ好きか、”好き”の強さがそのまま”才能、実力”に比例する事が多いと感じさせられてきました。だから才能ある人ほど楽しそうに見える事が多い。面白さ、楽しさの感じ方が強い、楽しさをより知ってるからそう見える。


ちょっとシビアに踏み込んでしまうと、例えば才能無い、センス無い人でも、それがとても好き、に見える様な人もいるのかもしれない。でもここでの”好きさ”は”深く好き”という事になるのかもしれない。
深く好き、深く感じて好き、な人はあさってな方向見てたり、無駄な練習をすることがあまり無く、必然的に(楽にという事ではないけど)最短コースで、試合、実践の中で吸収して学んでいける事も多いのだと思います。だから直ぐに凄くなってしまう様に見える。


あらゆる物事極めるのに共通してる要素は多いし、極めている人達は全く違う世界でも同じ表情、顔している事が多い。
表面的にはまるで違う事をやっていても、同じ様な苦悩や喜びなど、様々な感情を経験して同じ様な道を通るから、やっぱり同じ様な顔になって行くのかもしれない。



改めて桜庭さんの凄さを分かりやすく聞けて良かったし、またそのお話から船木さんという人、人生、カッコよさも感じさられて感動しました。



そして最後に「まぁ人の事言えないですけど」と言いながら、桜庭さんのお酒の事も優しく心配もされてたり、

多分、お二人はそんなに会ったり話したりする機会は無いのではないか、と勝手に想像するけど、それでいて盟友というか、本当に心配したり応援し合えたりできる様な関係も素晴らしいなと思います。ミュージシャンもそういう関係結構あると思うけど。


ちょっと臭くなってしまうけど、「真面目に真っ直ぐ生きるって凄いな、素晴らしいな、時間の経過、人生って素晴らしいな、自分も頑張ろう、もっともっと楽しまなきゃ」って思わされました!
ありがとうございました!




P.S.

あれは2002年頃かなぁ、麻布十番祭りで偶然出店を出されている船木さんを見かけて声を掛けさせていただいた。
2000年の命を懸けた覚悟のヒクソン戦について、軽く触れてはいけない事だというのはその瞬間感じたけど、それでも一言だけ「感動しました」と伝えさせてもらわずにはいれなかった。その瞬間の船木さんの、遠い昔の炎をまるで涼しかった一瞬の様に振り返る様な、達観した様な表情が心に強く残っていて今もずっと忘れられない。
その時手に入れて、一度だけ着て今まで大切にとって置いてる船木さんのサイン入りTシャツと共に自分の大切な宝物。 


あのTシャツは命を懸けた魂が何か宿ってる様な気がして、無意識にそんな気がしてずっと着る事も触れる事も出来なかったのだと思う。




nori armlock
(船木選手の腕を極めた桜庭選手の腕を極めたノリマシン)
折角の感動したお話をぶち壊してしまってスミマセン!