今日は、久しぶりに大好きなサックス奏者の曲を久しぶりに聴きまくった。一曲をただずっと何度も何度も。

多分代表曲として語られたりする、ある意味派手な曲ではないのかもしれないけど自分にとっては特別に感じさせられる優しい、ロマンティックな曲。

とても好きな曲って、現実の世界と結びつかないからなのか、弾いてみたい?弾いてみようと考える事もない事も多いけど、今日はちょっとコードを鳴らしてみたい、少しだけ把握してみたい、と思って、でも頭で考えたくないから、極力理論を考えない、できるだけコードネームを意識しないで鍵盤の上で探してみたりした。シンプルに言えば、頭を使わないで身体だけで探すという感じ。

頭使うよりは多少時間かかるけど、結構すんなり入ってきた。


聴いてると、やっぱり昔って程でもない、ちょっと前よりも全然入ってきた。色んな情報、感情が。

サックスが少年の様に歌ってる、音への愛情、ジャズの先人達への愛情、リスペクトが伝わってくる。ベースとドラムがただただシンプルにグルーヴしていて歌を引き立たせている。

ピアニストは、コンテンポラリーで歴史上最もクリエイティヴで、ある意味は派手な技巧やセンスの持ち主の一人とされてる、まぁ一言で言ってしまえばカッコいい、カッコ良すぎだけど、この曲でのプレーは、多分彼のスタイルのイメージからすると地味でシンプルな部類のサウンドになるのだと思うけど、そこにとても惹かれてしまう。なんかホーンプレイヤーのようなシンプルで美しいシングルトーン、でもホーンの様には持続されない、儚く減衰していくのがある意味逆にエレガントにとてもロマンティックに響いてる。


どんどん気持ち良くなってきて、音と一緒に歌った、踊った、泣いた、笑った、何だか音とSEXしてる気がした。


テンポは結構速くなっていく。テンポはあまり変わらない方がいいのかもしれない。まぁシンガーがいる時は特にそうかもしれない。でも自分が好きな演奏、惹かれる演奏は何故か結果的にテンポがかなりアップしているものが圧倒的に多い。ニューヨークではライブやセッションで演奏していても、聴いていてもテンポがアップしていく事が多かった。特にリズムセクションによってそうなっていくのかな、と思わされた。ベースもグングン強力に引っ張っていくし、そういうドラマーもやっぱり多いのかな?と感じさせられた事もあった。前に引っ張っていこうとする力がとても強いのではないか、と感じさせられた。遅くなるという事はまずない。

勿論ジャズでも、かなり正確な部類と思われるプレイヤーもいるとは思うけど、面白い事に、惹かれるプレイヤー、演奏はそういうタイプでない事が多い。ある意味正確な方がいいに決まってるし、みんなそういうトレーニングもするのも間違いないのだろうけど、好きになる演奏がそれとあまり関係ない事が多い、というのが不思議。人間である事、感情、フィーリングなどが関係してるのかな、と思ったりもする。

話が逸れたけど戻すと、
そうだ、音と、

昔はこんなに愛してもらえなかった、いや愛してもらっていた事に気付けなかった。あれ、こんなに愛されていた事知らなかったんだ? 今ならもっと返してあげられる。

何だか図々しくも、まるで自分が今まで何人ものいい男に愛されて来て成長してきた、そこそこいい女みたいな設定、妄想が頭の中を支配してる、、、 そして今まで気が付いてこれなかった彼らの素晴らしさに大分経ってから、後から気付かされる様な、ちょっとそんな気持ちになりました。

人間同士だとさすがに、時間を遡って、もう一度愛し返す、という事は出来ない? 出来ない事が多いとは思うけど、音だとそれができる、そんな気もした。

もう少し成長できた時にはどんな風にサウンドするのだろうか?
こんな事感じた、思った事もまた忘れた頃だろうけど。