暑中見舞い代わりに友達がこの動画を送ってくれた。
大分前、多分New Yorkいる頃観たと思う、そして当時ブログかMIXIかに書いたと思うけど、探すのも大変みたいだし改めて書いてみます。

これはジャズをやっていくのに、とても重要なマインド。New York行く前は全く考えもしなかった、理解していない事でした。自分も典型的な日本人で、そこそこ真面目で神経質な部分もあったし、割り切れないのも受け入れづらいところもあった。勿論、日本でそういうミュージシャンは多いと思う。

真面目さ、几帳面さ、はみ出さなさ。お行儀の良さ。日本人の良い部分である反面、遊びから入って学ぶ様な、そしてとてもとてもオープンマインドが求められるアメリカの文化をやるにはデメリットとなってしまう部分も多い。


2:53 あたりからがその大事な部分。大体こんな感じ

「とてもイノベイティヴで燃えまくっているリズム隊の上でのマイルスの素晴らしいソロ中、マイルスのプレーの中でも最も凄かったものの一つ、その時に僕は完全に間違いのハーモニーを弾いてしまった。ああ、、、どうしよう、と思った。その瞬間、マイルスは一瞬吹くのをやめて、間を作った。

そして次に出した音、、、それは僕の間違いが、間違いでない様に聴こえさせてしまうものだった。非常に驚かされたし、信じられなかった。マイルスは彼自身の恐るべき音の選択のセンスとフィーリングで、間違いを正解に変えてしまった。僕は完璧にしばらく固まってしまったよ、、、」


こんな感じでハービーが話してるけど、
マイルスはハービーの間違いを、”間違い”として聴かなかった、捉えなかった、ただ聴いた音に対して最善の反応をする事だけを考えていた、ステージ上ではその責任があると考えていたのだと思う、という様に言ってます。

これは、確かNoriTubeでも以前話したけど、
ヴァイブ奏者のWarren Wolfも
「ステージ上に間違いというのは存在しない。もしメンバーの出した音を”間違い”と認識してしまうなら、それは傲慢な姿勢になってしまう。」
という様な事を言っていたけど、このハービーの話している事と同じ様な話だと思う。



ハービーも言ってるけど、自分も本当にそう思います。

ジャズの中に人生の多くのレッスンが含まれてる。

生きていくために必要な多くの事をジャズが教えてくれる。

だから、ジャズさえ真面目にやっていればいいのかもしれない。



スポーツでも負けから学ぶことができればそれは、”間違い”ではなかった事になる。
失敗から学び成功に結びつける事ができる。

「目の前にある状況を謙虚にオープンマインドで受け入れる。毒であってもそれを受け入れ薬に変える事ができる。どんなに辛い厳しい状況があっても、それを受け入れその毒を薬に変えられる。その事もその時マイルスから学んだんだ」


マイルスは帝王とか怖いイメージもあるかもしれないし、もしかしたら、「ぶっ◯してやりたい」と思ったりした女性もいたかもしれない。

でも、この話からも、マイルスがいかに音楽的に謙虚で、温かかったか、というのが伝わってきます。仮に男として、人としてそれなりの棘があったかもしれない、おそらくあったと思うけど、でもアーティストとして、魂の部分で最高に美しく温かい人、ピュアだったに違いなかったと思います。

そして何より、この事を話してるハービーが美しい。
話自体が本当に演奏みたい、表情がニュアンスが全てがアートになってしまってる。何かを極めた人達が持ってる美しを感じさせる。


パットメセニーからもそれを教えられた事があったけど、近いうちNoriTubeでその話してみたいと思います。