2005年にNYに来る直前に何人かの先輩ミュージシャンが僕のiPodに沢山音楽を入れてくれて、聴ききれない程の音楽が入っていました。

2008年頃、99%English Nameがあふれかえるリストの中に偶然Akio Sasajimaという名前を見つけて、「あ、日本人の名前だ」と思ってクリックしてみたら、最初の何秒かですぐに耳を持っていかれ、本物の香りを感じ、いったいどんな人なんだろう?と興味を持たされた。NYに来て3年程たっていたので、ある程度本場のジャズがどんなものなのか体でも大分感じるようなってきた頃だと思います。


リズム感、音色の多彩さ、音の長さ、強弱などのコントロールされ具合、シンプルで選ばれたフレーズで、心に強く入ってきました。
うわべを格好付ける様な部分が全く無く、直球勝負みたいな感じで心の強さも感じました。 


上質のワインとか、何かいいもの、本物というのは、人間の体にすうっーと流れるように入って来てしまうものなのかもしれない。
 

興味を持ってネットで見ていたら、どうやら札幌出身でシカゴで活動されている事などが分かりました。そして多分もう40年位前の事だと思いますが、高校の頃の笹島さんの演奏を札幌で生で観た方の印象深いブログを見つけました。「当時マスコミで、ある同世代のプレイヤーが東京で天才と賞賛されていたが、彼と彼のファンには申し訳ないが、もし彼が天才なら、笹島は神だと思った」と書かれてました。
しかもその後、何十年ぶりに札幌に凱旋された時のライブをまた観て、「やっぱり自分のセンスが正しかった事が確認できた」と語られいて、なんとも言えない時間を超えたドラマを感じました。笹島さんも凄いけど、そのファンの方も何十年もずっと自分の感性を信じていて、その答え合わせをしてしまうというのも凄すぎるなぁと思い、僕も読んでてちょっと熱くなってしまいました。


つづく、