先日のRIZIN LANDMARK 8 試合後、勝った矢地祐介選手がマイクで思わず、
「皆さんも何か一つでも頑張ると、きっといい事があると思います。」
と言ってる途中で既に苦笑いを浮かべ、直ぐに
「すみません、偉そうな事言って」と続けた。
自分なりに瞬間的にそのニュアンスを感じてしまった。
矢地選手は、温かい人柄でとても優しい。ある意味格闘家として優し過ぎるようにも思えて、もしかしたら、それが非情に徹しないといけない勝負の場面で弱みにもなってしまうのではないか、と思わされた事もあるし、似たような印象持ってた人も多いのではないかと思います。特に朝倉未来戦でそれが伝わり易かった。
RIZIN登場した当初はスター候補で主催者から推されてたけど、その後周囲の期待を下回る結果が続いたりして、かなり苦しみ、葛藤もあったと思います。
さらにさらに、こんな時代だからネットで、挑戦も何もできない人達が、とんでもなく上から偉そうに品のかけらも無い様なコメントを浴びせまくっただろうし、当然本人も目にしたり耳にもしたりして、多少なりとも感じてきたと思います。
最近ようやくトンネルから抜け出てきた感じの戦績で、特にファンと言える程ではないけれど、気にはしていたし嬉しく感じてました。
そこで耳にしたあのコメント。
独断と偏見だけのジャズ的感想だけど、
恐らく、そんな経験から、残念だけど世の中の多くの人達は人生かけて仕事してない、勝負してない。谷底に落とされ死にたくなったり、いい年して本気で泣いたり、、、そんな姿勢で戦っている人間は世の中のほんの一握り。本気で生きてる人間なら、選ばれた一握りの人間に対して上から品の無い、心無い言葉を浴びせる事はできない。
彼自身の経験やファンの反応でそれを感じなかったら嘘になるだろうし、そんなものが試合直後の素の状態で自然に口から出てしまったのではないか? でもある意味それは大勢のファンを見下している事にもなってしまう、とハッとして苦笑いになり、それが「偉そうにすみません」に瞬間的に繋がったのではないか、そんなニュアンスを自分は感じました。
言葉尻にもなってしまうけど、「何か一つでも、、、」≒「何も頑張ってないとは思いますが、、、」にもなり得てしまうかも。
その流れも試合の様でもあり、またジャズのインプロヴィゼィションの様でもあり、リアルで面白く思えました。